転職コラム

飲食店の正社員の年収はどれくらい?年収アップの方法も解説

飲食店の正社員として働く場合、年収はどの程度なのか、ほかの業種と比べて実際に安いのかと不安に思う方は少なくありません。実際は、職場環境や役職、働き方次第で収入が大きく変わります。
 
本記事では、飲食店正社員の平均年収や給料が低いといわれる背景、年収アップの具体的な方法まで分かりやすく解説します。毎日の仕事をより充実させるヒントも盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店正社員の平均年収・給料はどのくらい?

厚生労働省のデータによると、飲食店正社員の平均年収(男女計)は約312万円(月収25万9,500円×12ヶ月)で、全産業の中でも低めの水準です。また、男性が29万100円、女性が22万1,700円と性別による差も見られます。ただし、店舗の業態や規模、働き方によって大きく変動するため、あくまで目安としてください。

年齢階級 月額平均給与(千円)[1]
年齢計 ※70歳以上の労働者を含む 259.5
〜19歳 181.4
20〜24歳 206.5
25〜29歳 230.0
30〜34歳 247.2
35〜39歳 272.0
40〜49歳 約286.0
50〜59歳 約291.0

年齢が上がるほど月収は増加する傾向ですが、他業種ほど大幅な伸びは期待しにくいのが現状です。したがって、年収アップを目指す場合は役職に応じたキャリア形成や転職など、積極的に選択肢を広げることが大切です。

飲食業界の給料が「低い」といわれる背景と実態

飲食業界の給料が「低い」といわれる背景には、さまざまな要因が絡み合っています。以下2の理解を深めると、なぜ賃金水準が上がりにくいのかが見えてくるでしょう。
 
● 人手不足と残業代の実態
● 大手チェーンと個人店:中小企業の賃金格差
 
それぞれ解説します。

人手不足と残業代の実態

飲食店が「きつい」「大変」といわれる理由の1つに、人手不足の慢性化があげられます。アルバイトやパートスタッフを確保しにくい状況が続くと、限られた人員に過度な負担がかかりやすくなり、残業が常態化してしまうのです。
 
しかし、その残業代が十分に支払われないケースもあり、結果「低賃金なのに激務」というイメージが定着しやすくなります。夜間営業や繁忙時間帯のシフトで高給を得られる例外もありますが、身体的・精神的負担を考えると、賃金水準の底上げに結びつきにくいのが実態です。

大手チェーンと個人店:中小企業の賃金格差

飲食業界では、大手チェーンや有名ブランドを展開する企業ほど、給与や福利厚生が充実しやすい傾向があります。一方、個人経営や中小規模の店舗では人件費の確保が難しく、昇給や手当の面で大手との差が広がりやすいです。
 
また、大手はマニュアル化やシステム化が進み、スタッフごとの業務量を平準化しやすいといえます。反面、中小では人手不足時の負担が重くなりがちで、結果として賃金アップに回す余力が生まれにくくなります。こうした構造的な違いは、勤続年数が長くても給与面で差が埋まりにくい要因の1つといえるでしょう。

飲食店正社員のやりがいや大変さ・向き不向き

飲食店で正社員として働く場合、やりがいや大変さなど、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。以下3つを理解しておくと、自分に合った働き方を見極めやすくなります。
 
● やりがい:人からの「ありがとう」を直に感じられる
● きつい面:長時間労働やシフト制での生活リズムの影響
● 飲食店正社員に向いている人・向いていない人
 
詳しく見ていきましょう。

やりがい:人からの「ありがとう」を直に感じられる

飲食店では、接客を通じてお客様から直接「ありがとう」という言葉をもらえる機会が多いです。たとえば、料理を運んだ瞬間に笑顔で感謝されると、頑張ってよかったと心から思えるでしょう。
 
また、常連客が増えると、自分が働いているお店のファンを育てている実感が得られます。その積み重ねがモチベーションにつながり、「さらによいサービスを提供しよう」という意欲をかき立てるのです。
 
さらに、同僚や上司と協力して目標の売上を達成したときなどは、チームとしての充実感も味わえます。こうした直接的な感謝や達成感が得られる点が、飲食店で働くうえでの大きなやりがいといえます。

きつい面:長時間労働やシフト制での生活リズムの影響

飲食店正社員の大変さとしてあげられるのが、長時間労働やシフト制による生活リズムの乱れです。とくに居酒屋や深夜営業を行う店舗の場合、終電近くまで勤務することが続くと、体力的にも精神的にも疲労がたまりやすくなります。さらに、土日祝日に休めないシフト形態も多く、家族や友人との予定を合わせにくい点に悩むケースも。
 
こうした労働環境に適応するには、自分なりの睡眠管理やストレス対策が欠かせません。ただし、忙しい時間帯を乗り切った分だけ達成感を得られることもあり、体力に自信がある人にとってはやりがいと表裏一体といえるでしょう。

飲食店正社員に向いている人・向いていない人

向いている人として、人と接することが好きで、常に笑顔でコミュニケーションを図れるタイプがあげられます。お客様の要望に柔軟に応える必要があるため、臨機応変に動ける人や細やかな気配りができる人は重宝されるでしょう。
 
反対に、向いていない人は体力面や深夜勤務に対して強い抵抗がある場合や、土日祝日に安定して休みたいと考えている場合です。さらに、感情表現が苦手で、お客様や同僚とのやりとりがストレスになりやすい方も、飲食店の忙しい環境には合わないかもしれません。柔軟性とコミュニケーション能力、そして一定の体力が求められる仕事といえます。

飲食店で年収アップを目指す具体的な方法

飲食業界は給与水準が低いといわれる一方で、正しいキャリア戦略を立てることで、年収アップを実現することも可能です。ここでは、年収アップを目指すための具体的な方法として、以下4つのアプローチを解説します。
 
1. 同じ会社でキャリアアップ(店長・エリアマネージャー)
2. 調理師免許・ソムリエなどの資格取得で差別化
3. 独立・フランチャイズ開業で収入を飛躍
4. 転職やヘッドハンティングで条件を変える
 
いずれも条件や目標に合わせて、適切に活用することが大切です。

同じ会社でキャリアアップ(店長・エリアマネージャー)

飲食店で働きながら収入を上げたい場合、同じ会社内でのキャリアアップを狙う方法があります。まずは店長として現場全体を管理し、人件費や売上、利益率などの指標を意識しながら組織運営に携わることで実力を示します。優れたマネジメント能力が評価されれば、複数店舗を統括するエリアマネージャーなど、さらに上位のポジションへと進むチャンスが広がるでしょう。
 
大手チェーンであれば昇給や役職手当、ボーナス制度なども整っているため、着実にスキルを積み重ねられる点は魅力です。ただし、店舗運営には長時間労働やシフト管理などの責任が伴うため、体力と精神力のバランスを保つことが大切です。

調理師免許・ソムリエなどの資格取得で差別化

飲食業界には、調理師免許やソムリエ資格、食品衛生管理者などの専門知識を証明できる資格が存在します。これらを取得することで、自分の市場価値を高め、給与交渉や転職時のアピールポイントに生かせるのが大きなメリットです。
 
また、資格勉強を通じて食材の取り扱い方や衛生管理について体系的に学べるため、実務面でも質の高いサービスを提供しやすくなります。さらに、特定の分野に特化していると、高級レストランや専門性の高い店舗への就職が有利になるケースもあるでしょう。資格取得には時間や費用がかかる場合がありますが、それを上回るリターンが期待できる可能性があります。

独立・フランチャイズ開業で収入を飛躍

フランチャイズは既存のブランド力やマニュアルを活用できる一方、初期費用やロイヤルティの負担があるため、シミュレーションを行う必要があります。
 
独立開業の場合は自分の裁量でメニューやコンセプトを決められる反面、市場調査や物件選定など、多方面の業務を一手に引き受ける覚悟が求められます。成功すれば年収1,000万円以上を狙える例もありますが、経営が軌道に乗らなければ赤字続きになるリスクもあるでしょう。事業計画と資金管理を行い、成功へ向けた基盤を固めることが鍵となります。

転職やヘッドハンティングで条件を変える

もし現在の職場で大幅な昇給が見込みにくいと感じるなら、転職という選択肢を検討するのも1つの手です。飲食業界の中でも経営が安定している大手企業や、新規事業で急成長を遂げているベンチャー企業に移ることで、年収アップを実現するケースは少なくありません。
 
また、マネジメント経験や専門スキルを備えている人材は、ヘッドハンティングの対象となる可能性もあります。転職エージェントや求人サイトを活用し、待遇や労働環境を比較検討することが大切です。ただし、転職先によっては業務内容や求められる役割が大きく変わるため、自分の得意分野やキャリアビジョンに合った企業を慎重に選ぶ必要があります。

情報収集や転職支援を賢く使ってキャリアを切り拓く

飲食業界でより高い年収を目指すなら、情報収集と転職支援サービスの活用が有効です。現在の働き方や職場環境に不足を感じる場合は、複数の求人や口コミを比較し、自分のスキルをもっとも生かせる場所を探してみましょう。
 
また、エージェントなどの専門家からサポート受けると、年収や労働条件の交渉を有利に進めやすくなります。選択肢を見極めながら行動することで、飲食業界のキャリアをよりよい方向へ切り拓けるはずです。

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この記事の監修者

株式会社itk 代表取締役CEO


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