転職活動ガイド 2024.08.29 2024.08.29

転職エージェントは相談だけでも利用可能？相談のメリットと注意点

転職エージェントは、コンサルタントやアドバイザーと呼ばれるスタッフが転職希望者の状況をヒアリングして、採用企業とマッチングし、求人を紹介するサービスです。

 

転職は一人ででも行えるため、エージェントを介さずに成功させる方もいますが、不安や悩みがあるときは専門的なノウハウをもつ相談相手としてエージェントを利用できます。

 

この記事では、転職エージェントへの相談について、メリットや注意点を中心に紹介します。
相談する前の準備やよくある質問もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

転職エージェントは相談だけでも利用できる？

転職エージェントは、転職を希望する人にアドバイスやサポートを行うサービスです。
各社がそれぞれノウハウをもち、転職に必要なことや段取り、スキルなどのアピール方法の助言や面接対策を実施します。

 

転職を考えている状態で、まだ本格的に転職を始めていない段階や、「将来的に転職エージェントを利用したいがどこにするか決めていない」といった場合でも相談できます。

 

多くの転職エージェントは、相談のみの利用も可としています。
公式サイトなどにその旨が記載されていますので、確認のうえサービスを利用すると安心です。

 

転職を検討中の方の中には、エージェントを利用することでどの程度成功率が上がるかがわからず、不安に感じることがあるかもしれません。

 

「エージェントを利用してもしなくても、すぐに転職ができないかもしれない」「他の転職希望者のようにアピールできる部分がないので、求人を紹介してもらえないかもしれない」といった悩みがあり、転職活動に踏み出せないケースもあるでしょう。

 

転職エージェントは、そのような悩みにも親身に寄り添います。
「今の職場を辞めるべきか」「内定率アップのためにできることは何なのか」といった要点を押さえてアドバイスします。

 

もちろん、相談をしてすぐに転職エージェントに依頼したり、転職活動を始めたりしなければならないルールはありません。

 

職場を辞めていない方の場合は、進行中の案件や業務の引き継ぎなどで、すぐに退職とはいかないことも多いものです。
相談をした日に即決することなく、よく話し合ってタイミングをみながら転職活動を開始しましょう。

相談だけでも転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントでは、相談のみでも十分にメリットが期待できます。

「現在転職を考えているが、さまざまな理由があって踏み出せない」「すぐではないが転職エージェントを利用したい」といった相談が可能です。

転職エージェントに相談を行うメリットは次のとおりです。

 

【メリット】

• 無料で相談ができる
• 希望条件に合う求人を紹介してもらえる
• 自分の市場価値を把握できる
• 業界・職種の採用動向がわかる
• 転職の悩みを解決できる
• 応募書類の添削や面接対策をしてもらえる

ここからは、エージェントに相談する6つのメリットを詳しくみていきましょう。

無料で相談ができる

依頼を行わず相談のみの利用は、ほとんどの転職エージェントで無料です（要確認）。

 

転職エージェントは、担当している求職者が転職活動に成功し、企業に入社する際に人材紹介料を採用企業から受け取る仕組みです。
採用企業は求職者との間に転職エージェントを挟むことで求める人材を獲得しやすくなるため、希望どおりの人材が入社したときは転職エージェントに報酬を支払うのです。

無料相談では、次のような相談ができます。

 

【相談内容】

• 転職エージェントのシステム
• 転職についての不安や悩み
• 転職活動の進捗状況・失敗談など
• 転職に期待したいこと・希望など
• 転職エージェントを利用するべきか
• 転職活動の流れや段取り

転職に関係する内容であれば、エージェントの基本的なシステムから個人的な転職活動の悩みまで伝えられます。

 

ただし、求職者のスキルやキャリアを含むパーソナルな内容は相談ではなく面談で話し合うため、相談の段階ではあくまでも不安や悩み、転職に関する方向性の確認にとどまることに注意が必要です。

希望条件に合う求人を紹介してもらえる

転職エージェントの担当者はキャリアアドバイザーやコンサルタントなどと呼ばれます。
転職を斡旋してきた経験が豊富、特定の業界に知見があるといった強みをもち、専門的なアドバイスが受けられます。

 

希望している業界や業種があれば、相談の段階で早めに伝えておきましょう。
その業種や業界に知識をもつスタッフが担当となって、希望条件にマッチした求人を紹介してもらえるでしょう。

 

希望条件が曖昧な状態でも、担当者の多くは急かしたりプレッシャーをかけたりすることはありません。
コミュニケーションを進めながら聞き取りを行い、希望条件を抽出して優先順位をつけてもらえます。

自分の市場価値を把握できる

転職市場には多くの求職者が集まります。
その中で効果的に採用企業にアピールするためには、求職者自身が市場価値や強みを的確に把握しなければなりません。

 

転職エージェントでは、求職者ごとの希望条件に加えてスキルや資格の調査、今後のキャリアアップの展望をヒアリングし、向いている業界・業種、目指せる収入額などを提示します。
自分では客観的な判断が難しい市場価値というものを転職業界からみて判断するために、今まで気づかなかった強みやアピールポイントに気づける可能性があります。

 

相談によって客観的なものの見方ができるようになり、その結果転職活動に本腰が入る可能性もあるかもしれません。
また、「自分にはこの業界しかない」と思っていたところ、他にも適した転職先が発見できる可能性もあるでしょう。

業界・職種の採用動向がわかる

転職エージェントは日々、幅広い業界や業種の転職情報を取り扱っています。
それぞれの採用動向や社会全体の動向をチェックして活気のある業界や業種をピックアップし、転職情報をアップデートしています。

 

エージェント側で幅広く情報を保有しているため、「将来性が期待できる業界」「転職がスムーズに進められそうな業種」も相談可能です。

 

競争が激しい業種や業界は、必然的に採用企業が求める人材のレベルが高くなります。
そのような環境を目指す求職者に対しては、求められるレベルや基準を提示します。
求職者の希望と業界の動向、または採用企業の求めが合致しなければ、その旨を工夫して伝えてくれるでしょう。

 

求職者が不安に感じる転職先の環境もリサーチし、優良な求人内容を選んで紹介します。
求職者自身では見極めが難しい部分も、転職エージェントが丁寧にサポートします。

転職の悩みを解決できる

一人で転職活動を進めるためには、情報収集や入念な自己分析、書類の作成といった準備が必要です。
転職活動がうまくいかなければ、自信を失うこともあるかもしれません。

 

転職エージェントは数多くの求職者と対面し、転職活動をサポートしています。
漠然とした不安や悩みはもちろん、転職活動を効率的に進めるためのアドバイスや提案も行います。

 

エージェント側で求職者が希望する業界や業種をチェックし、求職者に代わって求人を提案するため、不安や負担を一人で抱え込まず活動に集中できるでしょう。

「自分でも転職できるだろうか？」「強みをアピールしたいがアピール材料として有効か？」といった悩みは、正直にエージェント側に伝えることで的確にアドバイスが受けられます。

数多くの転職を支援してきたエージェントは、個々のスタッフの強みや知見、エージェント全体のノウハウを活かして、求職者一人ひとりに向き合います。

応募書類の添削や面接対策をしてもらえる

履歴書・職務経歴書やポートフォリオ、その他の書類の添削サービスも、転職エージェントが提供するサービスです。

 

履歴書では取得済みの資格や経歴がアップデートされているか、職務経歴書は求職者の強みや実績をしっかりとアピールできているかをチェックし、不要な部分を削って必要な内容を加えるようにアドバイスします。

 

転職活動の多くは書類選考から始まるため、書類の内容や書き方が転職活動に影響します。
転職のプロであるエージェントからチェックを受ければ、アピールポイントをしっかりと盛り込み、書類選考にふさわしい内容に仕上げられるでしょう。

 

転職エージェントは採用企業が求める人物像を客観的に把握し、その方向性に合うように書類作成をサポートします。
見落としやすい書類のマナーや押さえておきたいポイントも把握しているので、初めて転職を迎える求職者にとっては心強い味方になるでしょう。

転職エージェントに相談だけする場合の注意点

エージェント側は具体的な条件や要望があるほど、採用企業とのマッチングや求人紹介がしやすくなります。

転職エージェントに相談だけを行う際の注意点は次の4点です。

 

【注意点4つ】

• 「転職したい」という気持ちを示す
• 理想の転職時期を伝える
• 本音を伝える
• 複数の転職エージェントに相談する

ここからは、転職エージェントに相談を行うときの注意点をみていきましょう。

「転職したい」という気持ちを示す

転職エージェントは転職への意欲が高い人を優先します。
まずは転職の意思があること、希望時期や希望条件も決まっていることを伝えましょう。

 

転職する気持ちがなく相談に訪れた人に対しては、具体的なアドバイスをすることはできません。
「より良い職場を求める意思がある」「転職のタイミングをみている」こと、「キャリアアップ・スキルアップをして夢を叶えたい」といった意欲を伝えましょう。

理想の転職時期を伝える

転職時期が具体的に決まっていなくても、理想の時期を大まかに決めておくと話がスムーズに進みます。
「在職中」または「退職済み」「在職中で、職場に退職の意思を伝えている」といった現状を踏まえて、転職を完了させたい大まかな時期を提示しましょう。

 

希望時期が決まると、エージェントは大まかなスケジュールを段取りしやすくなります。
相談したからといって必ずその転職エージェントを利用しなければならないわけではありませんが、利用する予定がある方は希望時期を事前に決めておくことをおすすめします。

本音を伝える

エージェントに対しては、内容を盛ったり嘘をついたりしないように心がけましょう。

 

「本音」には、転職に対する不安・悩み・エージェントを利用した理由・転職活動の結果や現状が含まれます。
「他の求職者よりもキャリアが少ないが転職できるのか」「ブランク期間が長いので落とされないかが心配」といった、正直な気持ちを伝えてみてください。

 

本音で話したからといっていやな顔をされる心配はありません。
転職活動を有利に進めるためにも、エージェントには過去の活動から今後の展望までをしっかりと語ることが大切です。

複数の転職エージェントに相談する

転職エージェントを初めて利用するときは、どの転職エージェントが自分に合っているのか確認したいところです。

 

転職支援実績やサポート体制を構築している転職エージェントは複数あります。
複数のサービスを比較すると、エージェントによって得意としている業界や業種があることがわかります。
相性の良い担当者とも出会いやすく、より自分に合った転職エージェントが選びやすくなるでしょう。

 

エージェントへの相談はほとんどのサービスで無料なので、無料相談を活用してみてはいかがでしょうか。

転職エージェントに相談する前の準備

転職エージェントに相談する前の準備として、以下の3点を意識してみてください。

 

【相談前の準備3点】

• 自分の職歴を説明できるように整理しておく
• 相談内容を決めておく
• 相談の方法・時間・服装を確認する

職歴やスキルを中心に、説明ができるように整理しておきましょう。
相談内容も漠然としたものにならないように、まとめておくことが大切です。

自分の職歴を説明できるように整理しておく

職歴はアルバイト・正社員（正職員）にかかわらず、学校を卒業してから経緯を説明できるように整理しておきましょう。

相談内容を決めておく

相談の際に、転職のプロであるエージェントに聞いておきたいことや相談内容を明確にしておくとスムーズに話が進みます。

 

何も考えずになんとなく相談に来てしまうと、何から相談すべきか戸惑ったり、後から相談したかったことに気付いたりと、疑問や不安が残ってしまう可能性もあります。
「これだけは相談しておきたい」というポイントを明確にして、メモをしておけば、大事な話を漏らさずに伝えられるでしょう。

相談の方法・時間・服装を確認する

転職エージェントによっては、相談方法として電話・メール・オンライン（ビデオ会議システム）を選べる場合もあります。
対面が難しければ電話やオンラインを選ぶのがおすすめですが、どの方法が適切かは求職者の状況によるため、まずは転職エージェントの担当者と相談方法を確認してください。

 

相談の方法が決まったら、時間や服装も確認してください。
スーツ・カジュアル・私服のうちどれが望ましいか、念のためにチェックしておきましょう。

転職エージェントに相談する際によくある疑問

転職エージェントへの相談でみられる3つの疑問をみていきましょう。

無理やり求人に応募させられることはないか

転職エージェントの意向で、相談だけをしにやってきた方に無理やり求人を紹介して応募させることはできません。
求人への応募はあくまでも求職者と採用企業のニーズがマッチして行われるものなので、求職者自身の同意はもちろん、転職への意思が必要です。

 

万が一エージェントが「転職したほうがいい」と強く勧めてきたときは、一度立ち止まって希望条件や意思を確認し、強引に促されることがないようにしましょう。

相談だけのつもりが勝手に応募へ進むことはないか

「無料相談に訪れたら自然に応募へと誘導され、企業に書類を出していた」というケースも、求職者自身の強い転職意思がないかぎり心配はありません。

 

はじめから転職をするつもりで相談に行き、書類を揃えて添削を受けるなどして準備している場合は、転職の意思があるとみなされます。
しかしそれでも、転職エージェントが勝手に応募を完了することはできません。

途中で解約することによって違約金がかかることはないか

職業安定法には、「有料職業紹介事業者は求職者から手数料を徴収してはならない」と定められています。（※）

 

転職エージェントは、求職者と採用企業のマッチングを行って求職者に求人を紹介するため、職業紹介事業者に該当します。
求職者が何らかの理由で転職エージェントの利用を止めたとしても、それによって違約金を徴収することはできません。

※参照元：厚生労働省東京労働局「職業紹介事業をご利用いただくための良くある質問集」

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転職エージェントへ積極的に相談しよう

今回は、転職エージェントに相談のみを行うケースについて、メリットや注意点を紹介しました。

 

転職活動は事前準備として、経歴やスキルの洗い出しや自己分析、書類作成などが必要になります。
転職したい業界や企業のチェック、将来性の調査までを自分で行わなければならないため、不安や悩みを抱えながら多くのことをこなさなくてはなりません。

 

転職エージェントは転職支援のノウハウをもち、求職者に代わってさまざまなサポートを行います。
採用までの伴走体制に加えて、採用決定後もアフターフォローを行います。

 

これから転職活動を始める方や、一人で活動するのが不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。