転職コラム

飲食店に就職するのはやめとけと言われる?理由や向いていない人の特徴を解説

飲食店は身近な業界なので、食に関わる仕事に魅力を感じる方も多いでしょう。しかし、実際に働いてみると、厳しい労働環境や待遇面でのギャップに悩むことがあります。
 

本記事では、飲食店に就職するのはやめとけと言われる理由や、向いていない人の特徴を解説します。飲食店で働きたいと考えている方は、参考にしてください。

飲食店に就職するのはやめとけと言われる理由10選

飲食店に就職するのはやめとけと言われる理由は、下記のとおりです。
 

● 休日が少なく、土日祝も出勤が当たり前
● 労働時間が長く、拘束時間も過酷
● 給料が安く、昇給・ボーナスが期待できない
● 有給休暇が取りづらく、年間休日も少ない
● 肉体的にハードで体力勝負の仕事
● クレーム対応や接客で精神的に消耗しやすい
● キャリアアップの道が限られている
● 人手不足が常態化し、1人にかかる負担が大きい
● 離職率が高く、職場が安定しにくい
● 人手不足倒産のリスクが高まっている
 
詳しく解説します。
 

休日が少なく、土日祝も出勤が当たり前

飲食店はサービス業のため、世間の休日は繁忙になることが基本です。週末や年末年始、夏休みなどは来客が増えるため、正社員は高確率で出勤となります。
また、飲食店は慢性的な人手不足のため、スタッフの数が足りず、休み希望もとおりにくいのが現状です。
 
厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると 、宿泊業・飲食サービス業の年間休日は97.1日と、全業種でもっとも少なくなっています。
 

有給取得の義務化で少しずつ改善されていますが、土日休みの仕事と比べると、ライフワークバランスの取りづらさは課題です。
 

参考:厚生労働省|労働時間制度

労働時間が長く、拘束時間も過酷

飲食業界は営業時間が長く、下記のような業務も多いため、拘束時間が長くなる傾向があります。
● 開店準備
● 閉店後の片付け
● 在庫確認
● 発注・売上管理
 

厚生労働省の外食産業調査によれば、45時間以上の残業がある企業は全体の17%です。繁忙期や人手不足の影響で、業務が終わらないケースが多数報告されています。
営業時間が、朝7時から深夜までの店舗も珍しくありません。また、中抜けや通し勤務で、実質12時間以上働くこともあります。体力だけでなく、時間管理の面でも負担を感じる方が多い業界です。
 

参考:厚生労働省|外食産業 企業調査結果(173p)

給料が安く、昇給・ボーナスが期待できない

飲食業界の給与水準は、ほかの業種と比較して明らかに低めです。厚生労働省の令和5年民間給与実態統計調査によると、宿泊業・飲食サービス業の平均年収は約260万円と、全産業の中でも最下位となっています。
 
料理の単価が安く、利益率が5%前後と低いため、人件費に充てる余裕が限られているのが原因です。競合店との価格競争も激しく、無理な値上げができないため、従業員の昇給やボーナスにも影響が出ます。
 

実力で給与アップする方も一定数いますが、平均的には生活水準の維持が難しいレベルであることは否定できません。
 

参考:厚生労働省|令和5年民間給与実態統計調査

有給休暇が取りづらく、年間休日も少ない

厚生労働省の令和6年就労条件総合調査では、宿泊業・飲食サービス業の有給休暇取得率は51.0%と、全産業でもっとも低い水準です。
 
さらに年間休日も97.1日と、ほかの業種と比べて明らかに少ないのが現実です。人手不足の店舗では、休むとほかのスタッフに負担をかけることになり、有給取得の気まずさから申請を躊躇する社員も多い傾向があります。
 
このように、体調不良時でも無理をして出勤するケースが起こりやすく、ワークライフバランスが崩れやすいのが実情です。
 
参考:厚生労働省|令和6年就労条件総合調査

肉体的にハードで体力勝負の仕事

飲食店の業務は基本的に立ち仕事です。ホールでは注文・配膳・片付けをテンポよく行い、厨房では熱気のこもる中で調理をこなす必要があります。
 
また、仕込み作業では重い材料や鍋を持ち運び、調理中は高温のフライヤーや火を扱う場面も多いため、体への負担は大きくなります。このような理由から、体力に自信のある方でなければ、飲食店で長く続けるのは難しいでしょう。 

クレーム対応や接客で精神的に消耗しやすい

飲食業はサービス業の中でも、お客様と近い距離で接するため、クレーム対応が避けられない業種です。
 
料理の味や提供時間、スタッフの態度など、さまざまな理由でクレームが発生します。店舗によっては、スタッフを守る体制が整っていない場合もあります。
常に緊張感のある接客に、メンタルをすり減らしてしまう方が多いのが現実です。

キャリアアップの道が限られている

飲食業界では、店舗内での昇進には限界があります。スタッフから店長、店長からマネージャーへと昇格する道はありますが、ポストの数自体が少ないため、キャリアが頭打ちになりやすいのが難点です。 
 
また、現場での経験がほかの業種に活かしにくく、転職を考えたときにスキルの汎用性が低いと感じるケースも少なくありません。企業によっては、評価制度や教育制度が整っておらず、長く続けてもキャリアが開けないと感じて転職を選ぶ方もいます。

人手不足が常態化し、1人にかかる負担が大きい

飲食業界では、常に人が足りないと言われており、人手不足が慢性化しています。おもな業務は、下記のとおりです。
 

● 調理
● 接客
● 清掃
● 在庫管理
 

突発的な欠勤が出れば、代役をこなさなければならず、常に気を張って働く必要があります。人手不足が原因で残業や休日出勤が当たり前になるケースも多く、身体的・精神的な負担が大きいのが実情です。

離職率が高く、職場が安定しにくい

 

厚生労働省の調査によると、宿泊業・飲食サービス業の離職者数は、令和5年上半期で約79万人と全業種の中でもっとも多い実態です。入職者も多い反面、離職者も多いため、常に人が入れ替わる状態が続いています。
結果、教育や引き継ぎが十分に行えず、業務の質が下がり、現場が混乱しやすい問題に発展します。安定した人間関係を築きにくく、新しい環境に慣れるまでのストレスも頻繁に発生するでしょう。
 

参考:厚生労働省|産業別の入職と離職の状況

人手不足倒産のリスクが高まっている

 

帝国データバンクの発表では、2024年の飲食店倒産件数は894件と過去最多を記録しました。背景には、下記の理由があります。
● 物価高騰
● コロナ後の資金繰り支援の終了
● 人件費の高騰
 

人手不足による営業縮小や閉店は深刻で、働く側にとっても不安定な状況にさらされています。今後も競争の激化やコスト増が続くと見られており、飲食業界は安定して働ける職場とは言い難い現状です。
 

参考:帝国データバンク|「飲食店」の倒産動向調査(2024年)

飲食店に向いている人・向いていない人の特徴

飲食店に向いている人・向いていない人の特徴は、下記のとおりです。 

向いている人 向いていない人
● 体力に自信がある

● 人と接するのが好きで気配りができる

● おもてなしの精神を大切にできる

● 接客が苦手

● ストレス耐性が低い

● プライベートの時間を優先したい

● 高収入を目指したい

飲食業界に興味がある場合でも、自分の性格や価値観と照らし合わせて、本当に長く働ける環境か冷静に判断しましょう。

飲食店に就職したい人が気をつけるべきポイント

 

飲食店に就職したい人が気をつけるべきポイントは、下記のとおりです。
 

● 飲食業界で働きたい理由を明確にする
● 労働条件を事前に細かくチェックする
● 働きやすい店舗を見極める工夫をする
 

詳しく見ていきましょう。

飲食業界で働きたい理由を明確にする

 

飲食店では、楽しそうだからといった曖昧な動機では、現場の厳しさに直面したときに挫折しやすくなります。そのため、なぜこの業界で働きたいのか理由を明確にしましょう。
下記のように、明確なビジョンがある方は、仕事のやりがいや成長にもつながります。
 

● 人を喜ばせたい
● 将来自分の店を持ちたい
● 食を通じて社会に貢献したい
 

自己分析を通じて、飲食業界で実現したいことを具体化しておきましょう。

労働条件を事前に細かくチェックする

 

飲食業界は店舗ごとに働き方が大きく異なります。そのため、求人を見る際には、労働条件を細かく確認しましょう。
下記のように、事前に確認しておくべき点は多数あります。
 

● シフト制か変形労働時間制か
● 残業代はどう処理されるか
● 有給は取得しやすいか
 

「詳細は面接にて」と記載されている求人には、注意が必要です。重要な情報を曖昧なまま面接を迎えると、思わぬ条件での採用を提示されるリスクがあります。

働きやすい店舗を見極める工夫をする

 

飲食業界では、職場によって働きやすさに大きな差があります。応募前に、店舗の雰囲気や人間関係を把握する努力が必要です。
 
求人広告に定着率の高さや、長期スタッフ活躍中などの文言があるかをチェックしましょう。口コミサイトで職場の評判を確認したり、面接時に「離職率は?」とさりげなく聞いてみたりするのもおすすめです。
 

不安な場合は、飲食業界専門の転職サイトを活用すれば、リアルな職場情報を得られます。

飲食店に就職するか迷ったら、自分に合う働き方を見極めよう

飲食店での仕事は、体力に自信があり、接客が好きであればやりがいのある業界です。しかし、プライベートを重視したい方や高収入を求める方には向かない可能性があります。
 
迷った際は、飲食業界に強い転職サービスを活用するのもおすすめです。itkでは、飲食業界に特化した求人情報を提供しています。豊富な求人から希望に合った職場を見つけられるため、飲食店で長く働きたい方は利用してみてください。
 

>>飲食店の求人・無料転職支援サービス 株式会社itkの利用はこちら

この記事の監修者

株式会社itk 代表取締役CEO


メッセージ

itkは2006年の創業時より、人材紹介サービスを通じて、外食産業の地位向上を企業理念に掲げるとともに、『日本一の外食産業の人材サービス企業になる』ことを目標にしています。

私たちの行動や成長が、外食産業を元気にし、外食産業の地位向上の一助になれればと日々研鑽し、それがお客様の賞賛になるよう努力し続けてまいります。

無料相談に申し込む

電話で無料相談0120-941-755

年中無休 9:00~24:00受付中・キャリアプランナーに無料相談