パン職人の仕事は辛い?理由や向いている人の特徴を解説



パンが好きであることを理由に、「将来はパン屋を開きたい」「パン職人になりたい」という人もいるでしょう。一方で、パン職人はきついといった声も見られます。
本記事では、パン職人の仕事が辛いと言われる理由や、向いている人の特徴を解説します。パン職人の仕事が自分に向いているか見極めたい人は、参考にしてください。
目次
パン職人の仕事が辛いと言われる理由5つ
パン職人の仕事が辛いと言われる理由は、下記のとおりです。
● 出勤時間が早く生活リズムが乱れやすい
● 長時間労働になりやすい
● 立ちっぱなしの作業で体への負担が大きい
● 給与が低く、待遇に見合わないと感じる
● 力仕事が多く体力勝負の一面がある
詳しく解説します。
出勤時間が早く生活リズムが乱れやすい
パン職人の1日は、深夜からはじまることもあります。パンは発酵や焼成などに時間がかかるため、開店に間に合わせるには、午前3時〜4時頃には作業を開始しなければいけません。
必然的に出勤も深夜帯となり、就寝時間も一般の生活とはズレが生じます。朝が苦手な人や夜型の生活をしていた人にとっては、この生活リズムに慣れるのが大きな負担となるでしょう。
慣れるまでは、睡眠不足や体調不良につながる可能性があります。
長時間労働になりやすい
パン職人の仕事は早朝にはじまるだけでなく、閉店後も片付けや翌日の仕込みがあります。そのため、1日の労働時間が長くなりがちです。
人手が足りない個人経営の店舗では、スタッフ1人あたりの負担が重く、休憩もまともに取れないケースもあります。また、土日や大型連休も営業する店舗が多く、長期の休みが取りづらいのも現実です。
ハードな勤務が日常化していくことで、心身ともに疲労が蓄積してしまうでしょう。
立ちっぱなしの作業で体への負担が大きい
パン職人の仕事は下記のように、すべての工程が立ち仕事です。
● パンの成形・焼成
● 陳列・販売
● レジ作業
長時間の立ち作業によって、足腰や膝、腰に大きな負担がかかり、慢性的な疲労や痛みを抱える人も多くいます。人気店や駅前の繁忙店舗では、混雑の中で常に動き続けるため、体力の消耗も激しくなるでしょう。
夏場は厨房の温度が上がり、熱中症のリスクもあります。体力や健康管理が必須となる職業です。
給与が低く、待遇に見合わないと感じる
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、パン職人(パン製造工など)の平均年収は約341.8万円、平均年齢は43.1歳とされています。また、ハローワーク求人における月額平均給与は、21万円前後です。
長時間労働・肉体労働が求められる割に給与水準が高いとはいえないでしょう。そのため、仕事の大変さに対して収入が見合っていないと感じる人は少なくありません。
若手や下積み期間中は、経済的な不安を抱えることが多いでしょう。
参考:厚生労働省|パン製造、パン職人
力仕事が多く体力勝負の一面がある
パン職人の仕事は、繊細な手作業だけでなく、力仕事の連続です。重い粉袋や材料の運搬、大量のパンがのった鉄板の出し入れなど、筋力と持久力の両方が求められます。
また、とくに注意したいのが、焼きたてパンを扱う際のやけどのリスクです。高温のオーブンや鉄板は200℃を超えることもあり、釜入れ・釜出しの際に手や腕を火傷してしまうケースも珍しくありません。
開店前などの忙しい時間帯は集中力が途切れやすく、思わぬ事故につながるため、慎重さと体力が求められる仕事です。
パン職人に向いている人の特徴
パン職人に向いている人の特徴は、下記のとおりです。
● パン作りへの情熱と好奇心を持っている人
● 手先が器用で細かい作業が得意な人
● 体力があり、コツコツと続けられる人
詳しく見ていきましょう。
パン作りへの情熱と好奇心を持っている人
パン職人にとって、もっとも大切なのは、パンが好きな気持ちです。日々パンに触れ、同じ作業を繰り返しながらも、もっと美味しくなるように工夫を続けることが求められます。
新しいレシピを試したり、新商品を開発したりといった機会も多く、好奇心を持ち続けることがやりがいや成長につながります。そのため、コンテストに出場したい、世界に通用するパンを作りたいなどの目標がある人に向いている職業です。
手先が器用で細かい作業が得意な人
パン作りでは、細かい作業が多く求められます。成形、トッピング、焼き色の調整など、見た目の美しさにも気を配らなければなりません。
手先が器用な人は、仕上がりの美しさを追求できるため、パンの品質向上に大きく貢献できるでしょう。
また、限られた材料で個性あるパンを作り出すクリエイティブさも求められます。そのため、細部まで丁寧に作業できる人は、パン職人の活躍の幅が広がります。
体力があり、コツコツと続けられる人
パン職人は、仕込みから焼き上げ、片付けまで一日中立ちっぱなしで動き回る体力勝負の仕事です。早朝出勤が基本であり、重い材料や鉄板の運搬など力仕事も多く含まれます。
そのため、体力に自信がある人はパン職人の仕事が向いています。とはいえ、はじめから完璧でなくても問題ありません。
毎日の作業を積み重ねていく中で、自然と体力や根気も身についていくでしょう。地道にコツコツ取り組むことが得意な人は、パン職人に向いています。
パン職人に向いていない人の特徴
パン職人は、好きだけでは続かない面もあります。体力、集中力、生活リズムへの適応などが求められます。そのため、下記のような人には厳しい職業かもしれません。
● デスクワークや在宅勤務を希望する人
● 体を動かすことが苦手な人
● 食べることに興味がない人
● 体力に自信がない人
● 早起きが苦手な人
自分のライフスタイルや体調、性格に照らして慎重に向いているか考えましょう。
パン屋で働くやりがい・魅力
パン屋で働くやりがい・魅力は、下記のとおりです。
● パン作りの知識と技術が基礎から身につく
● 実力あるシェフや先輩から学べる機会がある
● 趣味が仕事になる楽しさを実感できる
● お客様の喜びの声がやりがいに直結する
● 早朝勤務で1日を有効活用できる
それぞれ解説します。
パン作りの知識と技術が基礎から身につく
パン屋では、下記のように製パンの基本工程を現場で経験できます。
● ミキシング
● 発酵
● 成形
● 焼成
ホテルやベーカリーでは、伝統的な製法や高品質な材料を使うことが多く、確かな基礎力が身につきます。
このような実務経験は、将来的に独立開業を目指す際にも強みになるでしょう。パン作りの技術を十分に学びながら働けることは、パン屋で働く魅力のひとつです。
実力あるシェフや先輩から学べる機会がある
パン屋やホテルの製パン部門では、受賞歴のあるパン職人や経験豊富なシェフのもとで働けることもあります。そのような環境では、現場のプロから直接学べるチャンスが多く、技術や知識の吸収スピードも格段に高まります。
一流の職人の仕事ぶりを間近で見られるだけでなく、質問や指導を受けながら自分自身も成長していけるのは、パン屋ならではの貴重な経験です。
趣味が仕事になる楽しさを実感できる
パン屋での仕事は、新しいパンを考案したり、自分の理想とする味や形を追求したり、もの作りの楽しさを日々感じられるでしょう。パンが好き、パン作りが楽しい気持ちを、そのまま仕事にできるのも、パン屋で働く大きな魅力です。
趣味と仕事が重なることで、モチベーションも維持しやすく、仕事への誇りややりがいを感じやすくなります。好きなことを仕事にしたい人には、理想の職場です。
お客様の喜びの声がやりがいに直結する
自分が作ったパンを手にしたお客様の「美味しかった」という声は、やりがいになります。パンは日常的に多くの人に食べられる食品であり、季節のイベントや記念日など、さまざまな場面に寄り添う存在です。
そのような日常の中で、誰かの楽しみや幸せの一部になれるのは、パン職人ならではの喜びです。直接感謝の言葉を受け取れることも多く、自信とやる気につながります。
早朝勤務で1日を有効活用できる
パン屋の仕事は早朝スタートが多いため、勤務が早く終わる傾向にあります。午前中に仕事が終われば、午後の時間を趣味や勉強、副業などにあてることも可能です。
早寝早起きの習慣が自然と身につき、健康的な生活リズムが保てるのもメリットのひとつです。フルタイム勤務ではなく、短時間で働きたい人は、ライフスタイルと両立しやすい働き方といえるでしょう。
パン職人の適性を知って、自分の可能性を探ってみよう
パン屋の仕事には、大変なこともあれば、やりがいや魅力も多くあります。パンが好きな気持ちを原動力に、技術を磨き、人とのふれあいを楽しみながら働けます。
自分の性格やライフスタイルに合っていれば、長く続けられる職業になるでしょう。自分に合った働き方や職場を見つけたい方には、飲食店の求人・無料転職支援サービスitkがおすすめです。
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